[論考:歴史は繰り返す]正当な告発か、魔女狩りか。コロナ禍を客観視するための考察


Posted August 29, 2020 by kohhirono

コロナ禍の中、魔女狩りのように新天地を追い詰める韓国政府の告発は本当に正当なのか。正当か私欲か、他の教会との対応や政府の処置を見比べた内容である。

 
二度目の緊急事態宣言が発布されないまま、あっという間に8月が終わりを告げようとしている。感染者の少ない地域では、ほとんど今までと変わらない日常がある。
しかし、依然として感染者の多い地域では、新規感染者が確認されたり、クラスターが発生したりしている現状もある。

日本でのクラスターといえば、夜の街、という報道が散見された時期があった。今や、クラスターは夜の街だけでなく、毎日多数の患者を相手にする病院、通常通り再開され始めた学校や部活動などでも発生してしまっている。夜の街に出向いて飲食をすることを咎めるような報道は、そしてそれを鵜呑みにした国民は、本当に正しかったのだろうか。
今回は、魔女狩りのようにも見える韓国の情勢を取り上げて、私たちの行いを振り返る。

韓国では、二度目の感染爆発が発生し、またもや宗教団体がクラスターとして報道の晒し者にされている。一度目は「新天地」、二度目は「サラン第一教会」だ。

2月中旬、新天地の大邱教会に通う女性信者の感染が発覚した。その後、実際に新天地の大邱教会はクラスターと化し、多くの信者が感染した。
これに対し、韓国政府は新天地が韓国国内での新型コロナ流行を巻き起こしたとし、韓国メディアもこぞって新天地が悪者かのように報じた。さらに韓国では、新天地が政府の調査を拒否したとか、新天地が提供した信者リストの情報は故意に改ざんしたものであるとか、虚偽の報道が多数飛び交っていた。
その結果、新天地のイ・マンヒ代表は「防疫妨害罪」の疑いなどで起訴、身柄を拘束され、現在判決を待っている状態だ。新天地に対して、税務調査まで行われていたという。
なお、実際には即日名簿作成を開始し、教会の活動は一斉停止、信者にも自主隔離を促したことが、第三者の専門家らの発表により明らかになっている。また、イ代表は、名簿などにミスがあったことを認めたうえで、報道陣の前で土下座までした。

一方、8月には、サラン第一教会の信者らの多数感染が発覚した。そして同様に韓国メディアが、様々な報道をしているのである。
しかし、サラン第一教会の対応事態には、新天地の対応とまるで差があった。サラン第一教会の信者らは、教会内でクラスターが発生した後、「防疫当局が虚偽の陽性判定を出した」などと主張して、自主隔離どころか積極的に街を出歩いている。加えて、ジョン・グァンフン牧師は、今月15日にソウル市内で約2万人を集めた集会を主導した。
韓国政府はサラン第一教会に対しても、新天地と同様に名簿の提供を要請し、家宅捜索を実施した。その一方でジョン牧師は、教会に一切の非はなく、政府の対策が悪かったのだと主張している。

この二つの教会がクラスターと化す少し前、韓国政府は国民に対して、経済活動を推奨した。日常通りの礼拝をおこなうことは、そもそも政府によって禁じられたことではなかった。
そのうえで、新天地のイ代表は今なお拘束され、サラン第一教会のジョン牧師は、教会への捜査に難色を示し、非協力的な態度をとっている。

歴史上、何度も未知の伝染病が流行した。その際におこなわれた魔女狩りが不当であったことは、多くの歴史家たちによって証明されてきたはずだ。
私たち日本人は、歴史を繰り返していないだろうか。
もっと言えば、実際にクラスターが発生した団体に対して、集中砲火をするように非難する必要はあるのだろうか。各地で新規感染者の存在が報道される度、その人は誰かを特定する必要はあるのだろうか。

WebサービスやSNSが発達した今、誰もが簡単に記者となれてしまう時代である。今一度冷静になって、自らの、そして周囲の人々の行動を省みる機会が必要だ。

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Issued By 高野裕美
Country Japan
Categories Government , Legal , Politics
Last Updated August 29, 2020